以前は木曜日に投函した郵便は、よほどの遠隔地でもないかぎり、早ければ金曜、遅くとも土曜に配達されていた。2021年の秋から、配達そのものだけでなく仕分け業務も時間が繰り上がったため、木曜日の遅くに投函されたものは、月曜以降に配達される可能性が高くなった。
別料金のものや荷物は土曜も配達されるし、普通郵便でそれほど急ぐものは想定していなかったので、さほど不便を感じていなかったが、今回は違った。区が24日に18歳以上の区民に対してワクチン接種券を発送開始するらしいと聞いていて、まだ到着しておらず、「ああ、なるほど到着は月曜以降か」と、妙に実感してしまったのだ。
届いてからその番号を入力しないと予約日の空きを確認できないため、スケジュールが立てられない。前回の例から1日多く予想しておくなら副反応で3日くらいは動けない可能性もあり、早く予定が立てたいのだが、そもそも予約が取れるのかどうかもわからない。前回は申し込み開始日の朝にあまりの混雑に画面リロードをやめてしまい、数時間放置して出遅れてしまった。
普通郵便の土曜日配達がないというのは、なんとも不便である。
人手不足はもっともだし、労働時間に制限が必要であることはもちろんだが、郵便局はかつて半官半民で有利な立場でありながら、ヤマト運輸など民間宅配の会社より安い料金に設定し、利用者のシェア拡大をはかった過去がある。なぜこのような書き方をするかというと、郵便という「郵便局にしかできない」仕事を重視するのではなく、民間でもできる仕事を拡大した上で手が回らなくなったのである。その上で郵便を縮小という、なんとも消費者としては「ありがたくない」ことをしているとしか思えないのだ。
もともと宅配会社よりも安い設定で「ゆうパック」が展開できていたのにも、郵便を扱える有利な立場が関係していた。一時期、ゆうパックの車は(郵便の車と見分けが付かないからか?)なぜか路駐ができていて、民間業者はドライバーのほかに助手を乗せて路駐ではないと申し開きをするか、有料駐車場を使わないと、違法な駐車と見なされる危険性があったと聞いている。コストはそれだけかさむ。
そうまでして奪ったシェア。
手が回らなくなったのならば、郵便重視にもどってほしいのが消費者としての願いだ。
ただ、荷物と普通郵便とどちらが利益になるのかといえば、前者のほうがまだよいという判断で、郵便の比率を減らすほうが、経営では合理的なのかもしれない。