この半月くらい、もう普通に寝るのをあきらめてしまった。夜中にようやく「あ、眠れるかも」と思った瞬間、なにか妙な夢を見る。するともう明るくなる時間まで眠れない。朝になって、ゴミを出したり用事を少しこなすうち、1〜2時間くらい座椅子で寝る。そんな細切れ睡眠がほとんどだ。
いまにはじまった話ではないと思い、このブログで「眠れない」と検索してみたら、2016年の8月18日が引っかかった。
わたしは冬も眠れないことがあるが、そちらはけっきょく、眠りにつくまでに時間がかかってもいつかは寝てしまう。寒いために体を縮めているうちに、そうするしかなくなるからだ。だが夏は違う。思いっきり開き直って「眠れないんだから仕方ないじゃないか」と、ときには体を起こす。
いったん眠って目が覚めてしまうことも、暗い部屋のなかでまったく眠れずに、あれこれ考えて明け方まで数時間を過ごすことも、どちらもある。そして「もしや自分は夏だけの鬱ということはないだろうか」と、真面目に考えてしまう。
明るいことがとくに思い浮かばず、明日になったらこれをしようあれをしようという楽しみもなく、毎日が同じで、なにか「これをやってみよう」と思いつく日もあるが、その半日後には「どうせ何をやっても短期間で飽きてしまうんだろう」と、自分の考えをけなしてしまう。
もともとこの傾向はあったのだが、新型コロナのこともあって、2年以上も楽しみがない。なにかやりたいことがあって我慢したというストレスではなく、通常の「何をやってもいいんだ、自分の気の向くままやってみよう」という気持ちの自由が2年以上も損なわれて、明るい方向に浮上できなくなってしまっている。
新型コロナのせいにしてはいけない。生活や将来に不安を感じる物価高やら円安やら、いろいろな状況があるのは事実だが、それはわたしにだけ降りかかっている問題ではない。
でも何やら、気分転換のタイミングもないまま過ごした2年を経て、今回の夏はほんとうに暗くなりそうである。気分転換をしてみようという気持ちに自分を持っていくことに、抵抗を感じている。