いまでこそ、自分で選んでタイ米を買っている人も多いと思う。だが30年ほど前の米不足のとき、米専門店では白米を希望する人にセットでタイ米を売らざるを得ないほど、状況は深刻だった。国産の白米だけ好きなだけ買いたいというのは、運がよい人か、何らかのコネがある金持ちなど、ごく一部だったと思う。
慣れないタイ米は、多くの人にとって「粘らないのでおにぎりにならない」、「ぽそぽそする」など、米不足騒動の初期を中心に不評だった。そうこうするうちにコンビニのおにぎりもタイ米を多めにした外国米ブレンドが登場したが、おにぎりの形状が保てないため、トレーなど容器のままのおにぎりに箸を入れ、口へ持っていく人も実際にいた(わたしだ)。
不満をネットに書いている人も多かったが、わたしは「あんたらそんなに米が好きだったっけ」と、あきれてしまった。パンが好き、麺が好きと言っていた人も大勢いた時代だ。そんなに米が好きだったのなら普段から購入し、注目しておけばよかったのに。
出張中の家族が帰宅したときに外国ブレンド以外の米を食べさせてやりたくて、早朝からスーパーに並ぶ経験をしたのは、後にも先にもあのときだけである。(しかも家族は出張先で、ブレンドであろうが国産米を食べていたことがのちに判明した)
さて、なぜこんなことを書いているかというと、国産の複数原料米というものを、人からいただいたからである。
ネットを見ると「こんな風に炊きましょう」やら「油を入れてたくのもいいかも」やら、あれこれ情報が。
最初はそのまま炊いて、その次にどう食べたら美味しいかを考えつつ、味わおうと思う。