Netflix「御手洗家、炎上する」

 13年前に生家が燃え、母がその咎を負い離婚した。母と暮らしていた姉妹だが、母は心的なストレスから記憶がとんでしまい入院。姉は母から習った家事全般のスキルを武器に、偽名で立場を隠して生家に近づき真相を探るという全8話のドラマ。

 重要キャラクタであり、主人公の杏子(あんず)を演じた永野芽郁とダブル主演で疑惑の女性を演じたのが鈴木京香。実力派女優の演技が光る。この作品のあとは病気療養中とのことで、現在は事務所の人がInstagramで近況を書いているらしい。早く回復して、また演技を見せていただきたい。

 それにしても、最初から最後まで見事なダメ男を演じたのが父親役の及川光博。あれほどの人間の役を引き受けたのは役者として尊敬するが、人物像がダメダメすぎる。すべてが解明されたのち、最後にすさまじくバチが当たるのかと思ったら、しばらくは経済的にたいへんそうだろうなぁという程度で終わった。実に残念である。

 だいたい、13年前に離婚したあとで、元妻や実子にまったく会わない、どうしているかも自分からは調べないなどという人間が、いるのだろうか。自分の生活が楽であること(難しい判断や人間関係は誰かがなんとかしてくれる)だけを願ってきた、身勝手な人間なのだから、もう少し説教される場面だけでも増やしてほしかった。

投稿者: mikimaru

2021年現在「バウムの書」、「お菓子屋さん応援サイトmikimarche」などのサイト運営に、力を入れています。 かつててのひら怪談というシリーズに参加していたアマチュア物書き、いちおう製菓衛生師の資格を持っています。 バウムクーヘン関連や、昔からの知人には、「ちぇり」もしくは 「ちぇり/mikimaru」を名乗っています。

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