1年以上つづけていたと思うが、不眠改善のために漢方「抑肝散(よくかんさん)」を、1日1回飲んでいた。粉末で、味と匂いが濃いが、それでつらさが軽減されるなら、と。
だが先日、値段がかなり上がったことと、もしかしていま気持ちが落ちついているのかもしれないという予感から、休んでみることにした。どうしてもつらければ買いに行けるのだからと。最初の数日は不安があったが、よく考えたら不安で寝られないのではなくて暑さのせいだろうということになり、エアコンをつけて寝ることにした。エアコンをつけたままの電気代より、1日1回の抑肝散を休むほうがおそらく安く済むだろうという計算も、もちろん働いている。いや、実際に計算したわけではないが。
一時期にくらべて、日常生活の不安が軽減された。なぜこんな目にと思うようなご近所問題も数年前に経験し、それも過ぎ去った。
義母がなくなり、自分自身がもう少しで中高年というより高齢にさしかかる状態であることとを考えれば、あとはもう、何とか生きていけばそれでいいのではないかという「気負いのない状態」が、目の前に開けてきたのかもしれない。
どこにどう暮らすか(東京なのか地方都市なのか)や、いろいろな問題はもちろんあるが、眠れないのに眠らなければいけないと自分を追いつめる状況がなくなってきたのは、喜ばしいことである。