実母には悪いのだが、電話することをよく忘れる。
あれは2年くらい前だったか、もしかしたらもう長くないかもしれないと思うほど体調が悪くなった時期があり、そのときは数ヶ月のあいだ毎日電話をしていた。そうこうするうちに「毎日でなくていい」と言われ、だんだんと遠のき、最近はうっかりすると10日くらい忘れてしまう。
いまは週に2回のデイサービスと、ときどき看護師さん、医師がやってくる暮らしをしている。生活時間帯はあまり合わないのかもしれないが同居家族もいる。
本人はときおり(体力がないので)「庭にも出られない」やら「庭が草ぼうぼうで恥ずかしい」と言うが、高齢者が周囲から何かあったときの保険のように施設や病院を勧められるこのご時世に、自宅で医療サービスを享受できて、介護を受けているのだから運がよいと思ったほうがいいよと、いつも言っている。
自分が体が動かないくらいの高齢者になったとき、人が家に来て様子を見てくれるような行政サービスも有料サービスもあてにならないと思っているので、最近は人口が減ってけして豊かではない地方都市の財政でそれが受けられているだけ、母はとても運がよいと思う。