今井雅之(原作、脚本、演出、主演)の「手をつないでかえろうよ 〜シャングリラの向こうで〜 」の千秋楽。新宿の駅前という便利な場所、しかも気楽にはいれる昼の部のチケットをとってあったので、出かけてきた。
芝居を自分から見たいと思ったのはひさしぶりで、これはわたしがアサヒコムの記事を見て、ぜひ見たいと思ったものだった。
軽度の知的障害を持つ男性48歳が主人公。かなりゆっくりとした手つきで車を発進させる彼は、兵庫から伊勢神宮を目指している。若いころ愛した女性(のちに妻)が、自分の運転する車で伊勢神宮にお参りしたがっていた。何十回もの挑戦ののちようやく免許を取得した彼だったが、いまその助手席には誰もいない。
ふと、交差点で手を振る若い女性に気づいた主人公。女性はいきなり乗りこんできて「伊勢神宮ならうちの実家の方角だわ、ちょうどよかった」と、すっかりドライブ気分になっている。高速道路は怖いから使ったことがない、だから今日中には伊勢に着かないと説明されても、女性は降りなかった。
そして道中、30年以上前の中学時代から20代前半までの日々が、ぽつぽつと語られていく。
途中で、何度か涙が出た。周囲でも涙をぬぐう気配があった。だが回数としてはそれ以上の、笑いがあった。メリハリのある、すばらしい展開だったと思う。役者のみなさんも、とてもイキイキとしていた。
会場が適度にせまくて、舞台と客席の一体感が楽しめた。千秋楽ということもあってか、カーテンコールのあとに今井さんの挨拶があって、出演者紹介のほかに「去年まで21年やってきたウィンズ・オブ・ゴッドも、最初の舞台は客が7人だった」という貴重な話も出た。。。残念ながらウィンズ・オブ・ゴッドは見たことがないが、評判は耳にしている。
来年ももしこのお芝居があったら、ぜひおすすめ。