ユニクロがかつてSKIPというブランドで青果を通信販売していたのを、ご記憶の方もいらっしゃるかと思う。Wikipediaで確認したら2002年9月に子会社を設立し、2004年3月に解散しているから、素晴らしくあきらめが早かったようだ。だが、10年早かったのかな、という気がしてきた。
わたしの記憶がたしかなら、そのブランドは有機野菜などを宅配するのがメインで、店頭販売は銀座の一丁目あたり(つまり生活感の薄いオシャレな場所)にあったような気がする。その通販を利用していなかったわたしがそんな情報を持っているのは、当時は食品などに関連した書籍や雑誌を買うと、裏表紙などを使った「ユニクロの野菜」というきれいな広告が、よく出ていたからだ。
ものがもの(生鮮品)だけに、たくさん買い置きすることもできない上、融通が利くとはお世辞にもいえない販売スタイル——たとえばもう少し生活感のある場所に小さくてもいいから実店舗をおくなどの工夫がないと、印象としては「売れば売りっぱなしで、客と生産者のあいだで荷物を運ぶだけ」になってしまうような、あまりつかみ所のないブランドだなと思っているうちに、ユニクロは野菜をさっさとやめてしまった。
そして今日、千葉日報のこの記事を見て
イオンが柏に直営農場 県内初 不耕地農地活用で市と協定
不耕地農地の解消や担い手育成の強化に向けて、柏市は30日、市内での新規農業参入を前提に、農産物生産・小売などを行う株式会社「イオンアグリ創造」(千葉市美浜区、藤井滋生社長)と協定書を締結した。協定書は、農地の権利移動の円滑化を図る新制度に基づいて交わされ、同制度による地方自治体と民間企業との協定締結は県内初という。同社は10月8日に同市五條谷前田にイオン直営農場「柏農場」(約2・5ヘクタール)をオープンさせ、葉物野菜を中心に県内イオングループの総合スーパーで販売する。
——そうだ、農地法って改正されたんだった、企業や第三者が、農業をするという意思表示がはっきりとしていれば、土地を借りることが簡単になったんだと、思い出した。
これまでも、もしかすると畑違いの企業が「昔からの人員をリストラできないし、仕事を新しくやらせたいけれど、農業をしようにも土地を借りるのがたいへんで〜」という悩みを持っていたかもしれない。その場合、とてつもなく複雑な手順を踏まないと、まとまった広さの耕作地は手に入れられなかったはず。だが2009年に改正された農地法では、これから農業をすると意思表示をしている企業や団体には、制限が緩和されたのだ。
ユニクロも、あと10年くらい遅く野菜に乗りだしていたら、生産からすべてに関与できたかもしれない。……あるいは、いまからでもやるかな?(笑)