画面をほとんど見ずに音声だけ聞いていたのだが、昨日の晩のテレビ番組「Mr.サンデー」で、キャスターの滝川クリステルがマレーシアを取材していた。
(聞き間違いでなければ)日本はパーム油の94%をマレーシアから輸入しているという。そして現地で進む原生林破壊の最大要因は、パーム油を採るためのヤシ栽培と製造工場によるものだとのこと。
番組では数回「わたしたち日本人の暮らし」という表現が出てきたが、マレーシアの輸出の何割が日本向けなのかの表現はなかったように思う。日本人が現在の暮らしを捨てれば(実際には捨てられないが)、マレーシアの原生林は今後は手つかずになるのか…? そうではあるまい。ほかの国々にも売っている。マレーシアはこれを第一の産業と位置づけているはずだ。
原生林や野生動物を救うためには、日本を含む先進国がパーム油をあきらめるのではなく(あきらめようにも、もはや切り離せないだろうが…)、現地に別の産業とあらたな価値観が根づかなければ意味がない。
熱心に見ていたわけではないので、大きな流れを見逃してしまったのかもしれないが、そのあと番組では「世の中が日本人ばかりだったら地球は2.6個分(?)必要なんです」などの、各人が反省をしなければいけないといった流れで、しめくくられた。もったいない終わり方だなぁと思ったまま、今日までその件は忘れていた。
思い出してみるともの足りないので、少し検索をしてみたところ、滝川クリステルご本人による取材記事があった。日付は先月のもので、今回の放送番組とは直接の関係はなさそう。
http://goethe.nikkei.co.jp/serialization/takigawa/100924/
なるほど、イギリスに有名な「ナショナルトラスト」というものがあるが、「ボルネオ保全トラストジャパン」という活動が存在するらしい。
そういった運動には敬意を表しつつ、わたし個人にできることとしては、価格が安いからとか、椰子の実が原材料だからなんとなく安心とか、そういった安易な表現につられて生活用品を買うことがないようにしたい。仮に日本の河川や日本人の体にもしいいかもしれないが、あまりに飛びつけば、現地の自然や生活環境、人々の体を壊してしまいかねない。