イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー主演のBefore Sunset(ビフォア・サンセット)を見た。
イーサン・ホーク/ジュリー・デルピー/ビフォア・サンセット 価格:1,500円(税込、送料別) |
本作は、邦題「恋人までの距離(ディスタンス)」で知られる1995年作品Before Sunriseの続編であり、映画の間隔が9年間あったと同様に作中でも9年間が経過。しかもふたりがパリで再会して男がアメリカに帰る飛行機の時間が迫っているまでの1時間15分を、まるでそのまま撮影したかのような、長まわし撮影たっぷりの映画。
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まず前作だが、ブダペストからウィーンまでの列車に乗り合わせた男女ふたりが意気投合し、本来ならパリまで乗っていくはずだった女が途中下車して、翌日アメリカに帰国する男が朝まで時間を潰すのにつきあうことになる。ふたりはひたすら話して、歩いて、また話して、歩いて、夜中のウィーンで気持ちをぶつけ合う。
女が翌日ふたたび列車に乗り、パリにもどるとき、住所も電話番号も教え合っていなかったふたりは、半年後にふたたびここで…と固く約束をする。
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上記が、前作まで。
そして9年後、パリの書店に作家となった男がデビュー作のPRのため訪れ、記者らのインタビューを受けている。作品中で描かれたその女性は実在したのか、半年後に再会できたのかと詰め寄られるが、男は答えない。するとインタビューが終わろうというときになり、男は室内に9年前の女性セリーヌを見つける。
飛行機の時間が迫っているなかで、ほんの少しだけと歩き出すふたり。パリの路地裏をカフェまで、カフェからまた川沿いを、遊覧船で川を。そして男を空港に送っていく運転手に頼み彼女の住まいまで寄り道をしてもらい、送り届ける。だがなかなか別れがたい。
ふたりがしゃべり通しだった1時間15分後、映画は思わせぶりなところでぷつっと終了する。
すばらしい作品。ふたりと一緒にパリを歩き、耳を傾け、いろいろなことを考えながらなりゆきを見守っていたところで、急にその手を離された。気持ちのよい終わり方で、余韻が残った。