わたしがこれまで読んだ斉藤美奈子の著書といえば「戦下のレシピ」、「趣味は読書」、「ふたたび、時事ネタ」…もしほかにあるとしても、せいぜい一冊くらいなのだが、いま読んでいるのがこれ。
文章のおもしろさは言うにおよばず、打てば響くというのか、「こんなこと書くなら、次かその次くらいの行には、これがくるだろう」と思ったタイミングで、まさにそれが出てくる。気が合いそう。先輩と呼ばせていただきたい。
(これは、冠婚葬祭のうち、とくに「婚」のあたり ^^;)
以前に「趣味は読書」で
五木寛之の「大河の一滴」は、タイトルを見てこんな感じの内容だと思わなかったか、でも実際にはこんな本なんだよと、衝撃のばっさり。そして「朗読者」(愛を読むひと、というタイトルで映画化)については、男性主人公(回想シーンでは少年)を「ちょっとあんた、何やっとんのじゃ」と罵倒気味にページをめくる。
のちに「愛を読むひと」の映画を見たとき「斉藤美奈子が書いてたほどあほらしい展開なんだろうか」と思ったら、まさしくそのまんま。あれまー。ネタバレになるから映画未見の方のため詳細は書けないが、牢獄行きを救える可能性と本人の思いを尊重することの、あいだはないわけか、あいだは(苦笑)。
とにかく痛快な本が多い。これからもときどき、読んでみようと思う。