「きな臭い」を検索して、驚いた。
わたしも子供のころは「きな臭いってナンだろ」と思ったものだが、やがて屋外での焼却炉の匂い(←こんなのはあちこちで体験できた)、不幸にも建物が燃え落ちた直後の場所など、「ああ、これをきな臭いと呼ばずになんと呼ぼう」と、臭覚と記憶で「きな臭い」を学んだ。
ところが、いま検索すると「きな臭いってナンですか」という質問に「怪しいとか、うさんくさいということです」と返事がつく。匂いについて触れている人に、あまり遭遇しない。
「焦げ臭い」だと、すごく小さい範囲が焦げている気がしてしまう。たとえばうっかり調理台の近くで布巾を焦がしてしまったとか、たき火をしていて危ういところだったがうまく消し止められたとか、そういう小さい被害が、わたしにとっては「焦げ臭い」なので、きな臭いが実際の匂いとして扱われなくなったら、わたしとしては違和感がある。きな臭いがなくなったら、みなさんあの匂いをどう表現するのだろう。
だが、考えてみたら、屋外で(キャンプファイアなど計画的な火を除き)勝手に焼却する事例もどんどん減っているのだろうし、「きな臭い」がわからなくても、あるいは違うものを連想しても、無理のないことなのかもしれない。
肝心の「きな」が何なのかは、あとでまた調べようと思う(笑)。