昨日の朝刊に、1円玉に関する記事があった。
東京新聞 14.06.08 → 1円玉「完敗」 消費増税後も小銭敬遠
消費税率8%への増税後、釣り銭などでの利用が増えるとみられた1円玉の流通量が伸び悩んでいる。日銀が6日発表した「通貨流通高」によると、5月の1円玉の流通枚数は389億枚。昨年11月以降、毎月の流通量に変化がないことが分かった。逆に電子マネーの主要4種(スイカ、楽天エディ、ナナコ、ワオン)の4月の利用回数は前年同月比で25.2%増加。クレジットカードにも押された1円玉の「完敗」が明らかになった。
財布がこれ以上ポイントカード類で厚くなるのは困ると敬遠してきたわたしですら、つい最近になってnanacoを2枚持つことに(1枚はクロネコメンバーズと兼用)なったのだから、世の中の電子マネーへの動きは顕著だ。1円玉まできっちり数えて支払いすると「ありがたいです」と言ってくれる店もあるが、そのうち世の中の人びとが電子マネーをさらに利用するようになれば「受け取ったこの小銭どうしよう」と、店のほうで対応に苦慮することに、なるかもしれない。
もっとも、カード類には問題もある。当たり前だが、その店が停電していたり、カードリーダーに不具合があるか充電ができていない場合、さらには広範囲に及ぶ停電でデータのやりとりができなければ、通貨として機能しなくなる。そうなった場合には、ナマの現金も必要だ。
電子マネーを使うでもなく、ただ小銭の所持や流通が面倒と思う人が増えてしまうと、よくない方向に話が向いてしまう危険性もある。曰く「じゃあ10円以下の単位は切り上げで価格設定をしよう」とか (^^; 。実際、交通機関や自販機では、機械が対応できないのを理由として、電子マネーで購入すれば端数で計算であるところを、四捨五入して10円単位にしている例もあると聞いている。
端数をないがしろにして、それを当たり前だと思ってしまうと、ある日突然に「国民のみなさん、明日の朝から、デノミやりますー」と言われて面食らうこともあるかもしれない。ないとはいえないだろう。いまそこまで考えなくても、よいだろうか?