テレビでCMが気になるような生活は遠い昔のように感じていたが、いまふたつほど、音が聞こえると顔を上げてしまうCMがある。ひとつは車のCMで、音がファイナル・ファンタジー。パブロフの犬のごとく反射的に顔を上げて画面を見てしまうが、何度見てもトヨタ。それでも顔を上げてしまう。いい加減に学習しろと自分でも思う。
それからもうひとつ「愛する娘は化け物でした」と聞こえてくるので、なんだろうと思って顔を上げるが、間に合わない。役所広司が出る映画とだけはわかるのだが、それだけだ。いったいどんな作品なのかと思っていたら、やっとタイトルがわかった。「渇き。」というらしい。
公式サイト → 渇き。
ストーリーはまったくわからないのだが、おそらく役所が父で、公式サイトに出ているきれいそうな女の子が娘なのだろう。役所広司が見事にぶっ壊れていく展開だろうか。
昔は何かの第一線で活躍し、はずみで人生を踏み外したような役をやらせると、皮膚のすぐ下に透けて見えそうな激情においても、あるいはわかりやすい粗野な暴力描写においても、役所広司はほんとうにうまいと思う。
何の映画だったのかは思い出せないし、もしかしたら韓国映画のオールドボーイを見ながら、主演男性のことをちらっと「役所広司に似ている」と思ってしまって頭が混乱しているのかもしれないが、彼の主演作で、とても粗野で下品なものがあったように思う。う〜ん、気になる。出演作をざっと調べたが思い出せない。何かのはずみに思い出すのか、あるいは年齢が似ている別の役者のことだったか。
悩みながら眠りにつくとしよう。