もともとNHKは、自分からはそれほど見ない。ニュースは民放をよく見るし、NHKではとくに朝ドラの話題が苦手である。朝ドラ関連でネット上が賑わっていることがあると、よけいに遠ざかる。ひねくれていると、じゅうぶん自覚している。
世の中にはNHKのニュース以外はニュースではないとのたまう人もいるようだが、どこの局にも多少の偏向報道があることを踏まえれば、そしてこのところのNHKには一癖二癖ある人材が上層部にいることを思えば、可能な限りを見くらべた方がいいに決まっている。そこまで考えつつも、わたしもまた極端なところがあるので、NHKはさほど見ない。率先してチャンネルを合わせるのは、大きな地震があったときのみだ。民放だとCM中であればすぐに地震情報が表示されない場合があるが、NHKはCMがないから…という理由。
新宿南口のとても目立つ歩道橋にて男性が自殺未遂をした際、NHKは夜の7時や9時のニュースで、それをとりあげなかったそうである。夜遅くになってウェブ版で文字として出したらしいと聞いた。なんじゃそりゃ、である。集団的自衛権に反対する人が自殺未遂をした、それを報道しない。また、民放各局で大きく取り上げられた、6月30日と7月1日の集団的自衛権に反対するデモは、NHKではかなり小規模なものとして扱われ、ニュースに占める割合も低かったそうだ。
NHKは、予算を国から計上してもらう関係上、政府与党に頭は上がらない。それははじめからわかっている。だからといって、自主的に過剰な規制を設けるのは、やりすぎである。あってはならない。現段階において細かな圧力がすみずみまでかかっているのではなく、おそらく内部から自主的に、おおまかな規制をしているのではと推測するが、それで得をするのはNHKだけである。国民にはいいことがない。政府の出先機関として都合のよい情報を垂れ流していく存在になっていく危険性が、予想よりも早い段階で、高まりつつあるように思う。
今回の閣議決定では、もともとたいして期待していなかったが公明党にはますます失望したし、そのたぬきぶりには腹が立って仕方がない。自民の中にもまた、良心がある人も残っているだろうに、声を上げない、もしくは自民が全体で一枚岩であることを強調したいあまりに、その少数派を無視している。いま自民の内部から離党や議員辞職が増えれば、補欠選挙などなんらかの望みが生まれるかもしれないのだから、何らかの形で身の振り方を考えてくれる人が出てくれないだろうかと、そこまで考えてしまう。
どんなわずかなチャンスでも、たとえ藁にでもすがりたい。安倍政権には、1日も早くなくなってもらいたいというのが本音だ。