今日はいつもと趣を異にするが、書いたものをどうしてもFacebookで載せられないと迷っている方の文章を、このブログに載せることにする。
なぜ自分の場所に載せられないのか。それについてご本人は、自分の名前で書いて、自分の知人らが読んだとき、もしかしたらそれでも「自分はひとり」で、「読んだら周囲が引く」のではと、「なにを一生懸命書いてんだろと思われる」かもしれず、それが現実であるならば確かめるのが怖い、この年になっていまさらまたあがいて傷つくのかと、思うそうだ。
幸いこのブログならば、誰が引いてもご本人は気にならないだろうから、掲載させていただこう。載せる以上は、わたしの文責となる。
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セクハラ野次(というか暴言)について、いまだに「なんで言われた側が、その場で一瞬へらっとするのだ、しかめっつらしてればいいじゃないか」と、思っている人がいるような気がするので、予防の意味で断言しておきます。
「無理です、それは」
その場の用件を一瞬でも早く終わらせなければならないんです。すごくグサッときても、その場で何かを言い返したら、ずっとそこにいなければならなくて、情けないし、怖いし、もめたら明日から居づらくなるかもしれないとまで、考えることがある。幼い頃から「女だから」と制約を受けてきた立場であれば、それらの思いが染みついている人が、多いんです。
悪気がないことをわかってもらうためには、気軽に笑顔で接するのが一番と、考えているオヤジがたくさんいます。たとえば女性にセクハラ(タッチなど)しておいて、問題になると本人や周囲が「○○さんが、きれいだったからですよ」とか、笑いながら言う「罪と恥の上塗りおやじ」は、山ほどいることでしょう、あれと似たような発想です。
ある意味で、不器用で、その場をへらへらで終わらせなくちゃという、それ以外の発想がないお気の毒な人たちかもしれません。でもそれらの人びとが「数の暴力」で少数派を圧倒してきたし、現在もそうしつづけているのは、事実です。
以下は、大昔の話です。いまだにこんなのは、いくつでも思い出せる。
わたしは夕方ぎりぎりの時間に、信頼していた男性同僚(やや年上)に、仕事上の苦情(おもにある男性同僚2名の言動がひどい話)を打ち明けました。その人は憤り、すぐ部署の男性たち全員の前で、わたしに代わってぶちまけたらしい。それは最初は善意だったのかもしれませんが、結果としてわたしより先に、その人が周囲に丸めこまれました。女性がぜんぶ帰ったあとの、男性だけの会議室に、わたしは呼び出されましたが、信頼していた人は先に丸めこまれているので、わたしの味方は誰もいない。ことを目撃していたはずの女性たちは帰宅済み。室内はもう男性で結束できています。そして、まとめ役の一番偉い人が、おきまりの…
「ほら、女の子を怒らせるような表現をしたらだめじゃないか」と、一部の人に対して発言。(政治家風にいえば「誤解されるようなことは、ほんとは誤解した人が悪いんだけれど、自分のせいということで謝っておきます」という、あのノリです)
…それで終わると思っているんですね、おっさんたちは。
わたしは「女の子」じゃない。その直前まで周囲にとって自分は普通の同僚であり普通の部下だと思っていた。年齢は二十代後半、それがあれよというまに「女の子」にされた。精神的なダメージが、かなり大きかった。
こちらは誤解をしていない。そこにあるのは「わたし以外の全員が、あれを誤解だったと思ってほしがっているという事実だけ」だった。
何でもなかったと言ってるんだからそれでいいだろう、それで引くのが大人だろうと、場の雰囲気でそれを暑苦しく求めてくる。そんなとき、とりあえず自分は、いらだちを悟ってもらいたくてドアを強めに閉めながら「お先です」と言うのが精一杯。次の日サボってやろうかと思ったけれど、職務熱心(!?)だったため顔を出したら、わたしの苦情のもとになった張本人(ほぼ同年代の男性同僚)が、わたし個人に対して、へらへらと笑いながら「も〜、あんとき怒ってんだも〜ん(^^)」と。。。殺意ってこういうとき浮かぶのかと、想像しました。
いろいろな不満のあげく、ある瞬間に突然、同僚でも部下でもなくて「女の子」などの急激な格下げ攻撃に遭ったりして、職場等で少数派であることが多い立場としては、「とりあえずその場は逃げる、わかってもらえるところに言って聞いてもらう」というのが、染みついています。これは自衛です。その場での傷を大きくしないための、身を守るすべです。
最後の職場をやめて20年以上経っているのに、これを書いていて腹が立ってきました。こんなの、ざらにある話でした。だけれど、いまだに「ざらにある」事実が、わたしには許せないです。しかも、人に支持されて代表になっている議員でさえも、女性というだけでこんな目に遭っている。20年で、なんにも進んでない。
ほんと、すみません、腹が立ってます。
2014.07.04 夕方
東京都にて
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