10月5日まで開催の「Bunkamura25周年特別企画 だまし絵Ⅱ 進化するだまし絵」 という展覧会に出かけてきた。連れがあらかじめネットでチケットを買ってあったため、見逃したらもったいない。
だまし絵と聞いて、野菜が人間に見えたりするあれだろうとか、エッシャーの絵が何枚かあるくらいだろうとか、その程度の認識でいたのだが、とんでもない誤解だった。まさに「芸術は進化」するのだ。
ライトの効果を狙った造形美術。くぼんでいるのか浮いているのかがわからず、さまざまな角度から違うように見え、すぐまた頭の中で揺れ動くオブジェ。そして圧巻だったのは、それを平面の絵だと思って見ようとする人間の頭(平面が立体的に見えるのはなぜと思いこんで目の前に立つ)と、実際には立体であることの混乱から生まれる摩訶不思議な世界。頭で「こういう仕組み」とわかってから「これすごいね」と会話し、同じものに目をもどしているというのに、ふたたび頭と目が折り合わない。実にわくわくする体験だった。
渋谷という街は苦手だし、歩いているだけでも疲れるが、Bunkamuraは、たまにいい催しをやっている。それにパンがお好きな方ならすぐ近くに有名店のVironもあるし、グルメなものも集まっている。
NHKのすぐ近くであり、つまりデング熱の話題で有名になった代々木公園にも近く、自然と親しむにはよいタイミングとはいえないこともあり、さっさと新宿に移動してしまった。