わたしが覚えている範囲で何十年も前から、やれ毒殺だ、いやいや刺殺、そんなことない事故死だと、いくつもの説が出ていたツタンカーメン王の死因。
10月26日放送のBBCの番組で、DNA検査やCTスキャンなど現代的な方法を駆使した調査結果として、ツタンカーメンには王家内部での近親婚の結果である虚弱な体質とあきらかな足の疾患(club foot – 先天性内反足)があり、介助なく歩行することすら難しい状態だったとの見解が放送されたらしい。マラリアを患ったこと、何らかの怪我が膝にあったことは確かだが、それ以外の骨折や損傷は死後の(おそらく遺体処理の過程も含む)要因によるものであり、全体的には、病死と考えて間違いなさそうとのことである。
CNN日本語版(10/22日付でBBCの放送前だが、内容はその放送に基づいている) → ツタンカーメンの生前の姿、明らかに 足に疾患か
イギリスからのアクセスであれば、BBCのサイトで番組のビデオを見ることもできるようなのだが、日本からのアクセスは認められていないため、詳細は確認できず。ただ、英語で書かれた新聞や雑誌にも、この件は大きくとりあげられている。
2014.10.25 RT.com – Tutankhamun died of illness, not from chariot racing
子供のころ、おねだりしてミイラの本を買ってもらった。特集はツタンカーメン、シルクロードのどこかで発見された美しい貴婦人の死蝋、それから日本では、奥州の藤原三代のミイラ…そして山形だったと思うが、即身仏になった僧の話。五穀断ちをして体から水分と脂肪を抜きながら少しずつ痩せていき、最後は穴の中でお経を唱えながら死を迎える描写だった。そういえば日本映画「湯殿山麓呪い村」にも、即身仏の描写はあったっけ——
同じ本だったかどうかは忘れたが、鳥葬や、アンデスの山奥で冷たい氷穴のようなところに凍り付いていた生け贄の少女(生け贄といっても神に捧げる乙女であり、大事に育てられ、装身具など身なりもきちんとしていた)も、あった。ああいう本は、懐かしいな。いまでも子供向けにああいった本はあるのだろうか。
わたしにミイラを語らせたら、けっこう止まらないかもしれない。