今日の午後は、日本橋でゴーン・ガール。以前に六本木のTOHOシネマズで英国の舞台「フランケンシュタイン」のライブビューイングを見たとき、ずいぶんと感じのよい映画館だなぁと思ったが、最近はコレド室町の中にもTOHOシネマズができたので、寄ってみたかったのだ。
さて、ゴーン・ガール。平日の午後なので、どうだろう、4割くらいの埋まり具合だっただろうか。座席は割と広めになっているので、ほかの映画館にくらべて姿勢がつらくなるのも防げるかと思ったが、なんとまぁ、2時間半くらいの作品。やはり体が少し痛くなった。
これ、どこまで書いたらネタバレにならないのだろう。う〜ん。よくある話を3つくらいくっつけて複雑にしたところ2時間以上になりましたといった感じで、要素のひとつひとつは秘密でもなんでもない。見ながら「要素てんこ盛りの土曜ワイド」とか思っていたのだが、後味が悪かった。カタルシスが皆無。どろどろっとした終わり方だ。気持ち悪いなぁ、登場人物が(^^;。
妻が突然に行方不明になり、あとには事件性をかすかにうかがわせる痕跡。死体があるわけでも、とてつもない証拠が見つかったわけでもないが、絶妙のタイミングで表沙汰になる秘密とともに、夫に嫌疑がかかっていく——
こうなったら、死体が出るか、妻は第三者の手により脅迫または監禁されて家にもどれないか、あるいは妻に事情があって自主的に家を出たのか、という選択肢が思い浮かぶと思う。そう、たいていの人が思い浮かべるその道が、早めにわかってくるので、あとは作り手がそれをどう料理するかだ。最後の最後に、もう少し「すっきり感」があってもよかったのではという、もやっとした仕上がり。
自分としては、まぁ、気持ち悪いといっても謎が残るような映画ではなかったのだが、ふと「ネットの感想ってどうなんだろう」と、検索してみてびっくり。字幕の速度のせいか、あるいは普段から犯罪ものの作品を見慣れていないのか、ちょっとしたことで勘違いしている人が多数。さすがにわかっている人が解説をしてくれているようだが「そこ、ぜんぜん、まったく勘違いだからっ…」と言いたくなった場所が複数あった。しかも大事な場所。そこを頭に入れないまま引きずられると、全体を理解できなくなるようなシーンも、誤解されているケースがある。
やはり、字幕のスピードというよりは、犯罪ものや米国の制度に慣れていないことがより大きな要因なのかと思う。字幕(もしくは吹き替え?)で要点をきっちり押さえて訳してあったとしても、慣れているかどうか、英語の原音も聞き取っているかどうかで、理解度が違ってしまう。かといって文字数制限、秒数制限があるのだから、あまりに親切に訳すわけにもいかないだろう。
自慢ではないがわたしは英米の犯罪がらみのドラマは多くを網羅しているほうだと思う(^^)。作品中でベン・アフレックが口ずさんだ「ロー・アンド・オーダー」は、20シーズンのほぼすべてを(何話か飛ばしているとは思うが)見たし、CSIやらNCISやら、なんでもござれである。犯罪と法律用語なら、テレビでかなり学んできた。すんなりと理解しやすい土壌があるわけだ。
さて、ネタバレせずにものを書くには、限度があるので、これくらいにしておこう。
わたしは30前後の女性を「ガール」と表現することに抵抗感を禁じ得ない人間だが、有名なカナダのドラマでLost Girlもあることだし、独特なニュアンスがあるのだろうとも、感じている。ただ、見終わって何時間かして、この映画はガールでいいのかと、別の意味で考えた。
どうしてわたしがそう考えたかは、あまり細かく書くわけにはいかないが、ガールの意味は大まかに…
○ 女児
○ 娘
○ オンナ(ときとして侮蔑的)
○ ダンサーなどプロとして活躍する女性
○ 親しみもしくは愛情を込めた表現
○ 女(こき使うなどの意味で侮蔑的な表現)
…などの意味があると、書いておこう。