何気ない一行に、かなり引っかかってしまった。
東京新聞 2015.06.15 → 性的虐待罪で元大司教起訴 バチカン、初のケース
ローマ法王庁(バチカン)は15日、未成年者への性的虐待の罪で、ヴァチカンの駐ドミニカ共和国大使だったヨゼフ・ベゾロフスキ元大司教を起訴したと発表した。
起訴、とな? たしかヴァチカン市国は一般的な意味での警察力を持たず(警備などはスイス人を傭兵として雇っているという)、したがって検察機能も持たないと思うのだが、どういう仕組みなのだろうか。
しかし、一般的な問題(たとえば観光客が何らかの被害に遭ったなど)と違い、高位の宗教者を対象とする犯罪の審査にイタリアなど外部の警察・検察力を借りるはずもないので、おそらく内部で裁判するのだろうなぁと思ったら、そのようだ。
英語のニュースメディア 2015.06.15 → Vatican sex abuse scandal: Archbishop, deputy bishop in Minnesota resign
The resignations came on the same day that the Vatican announced it was putting its former ambassador to the Dominican Republic, Jozef Wesolowski, on trial in a Vatican court on charges he sexually abused boys in the Caribbean country and possessed child pornography. Wesolowski, who has already been defrocked after being convicted in a canon law court, now faces possible jail time if convicted by the criminal tribunal of the Vatican City State.
ヴァチカンの法廷と書かれているので、間違いない。いわゆる司法としての一般的な裁判とは異なる、ヴァチカン独自のものではないかと推測する。
それにしても、どんな裁判なのだろう…。弁護人はつくのか。それとも一般的な裁判とはまったく違うのだろうか。録画か、願わくばテレビ中継でもしてくれたらありがたいのだが、無理だろうな。。。
ともあれ、以前から噂としては何度もささやかれ、近年になってようやく表面化してきた聖職者による性的虐待の一端が、こうして高位の人間にも手が及ぶようになったのは、現象としては嘆かわしいが事実としては頼もしい。どんどん暴いちゃってください。頼みます。