何度か書いていることだが、今回は少し多めに記してみよう。
岩波書店「世界」の7月号 P.44に「ブタインフルエンザは真の新型インフルエンザなのか?」という特集記事があった。
ざっと流し読みをした程度だが、WHOの曖昧な対応、日本政府とマスコミの迷走、などの章において、WHOも日本の政府もフェーズ分類や対応において鳥インフルエンザ(H5N1)を想定しすぎていたことをあげている。発病者の大多数が軽症であり病原性は低そうであるとわかったのちにも、なかなか適切で柔軟な対応がとれず、WHOが曖昧な表現をしたことが大きな要因となって、国により対応の解釈に違いが出た。
その顕著な例が日本であり、「新型インフルエンザ」というひと言で従来から懸念されていた鳥インフルエンザを含む大きな想定のもとに原則論を展開し、神戸で大規模な感染が確認されるまでの約二週間ほど、強固な検疫などの「水際対策」を押し通した。
先月の自分の日記(SNS上)を見てみたのだが、すでに 5/2 の段階で
> わたしは「日本にはいってきたけど普通のワクチンが効きました」とか、「普通のインフルエンザと同じ程度の威力です」とか、そんなことがわかったほうが、いいんじゃないかなぁという気がしました(不謹慎でしょうか?)。
と書いていた。われながら落ちついていたと思う(自画自賛?)。
(SNS会員さんは → 5/2の日記の末尾、コメント欄をどうぞ)
わたしはこれまで、大阪府の橋下知事をよいと思ったことはほとんどなかったし、当選したときは「大阪は大丈夫か?」と大まじめに思ったのだが(理由は過去における数々の不穏当発言)、最近ちょっと好感を持っている。
そのきっかけのひとつは、大阪での感染者が増えた際に、政府(とくに厚労省)に対して「鳥インフルエンザを想定した現行の制度を見直して、一般の医療機関で診察できるようにして」と訴えたことだった。それはまさにわたしが強く思うことだった。これからはもう少し温かい目で見ようかと思う。