これを文字で表現するのはとても難しいことなのだが、20年くらい前からとくに「尻上がり」が気になっている。影響されやすいわたしは、知り合いや家族との間であれば自分も使ってしまうようになったが、それでも「なんで急にこのイントネーションが生まれたのか?」は、よくわからない。
例文すらすぐに思いつかないが、こんな感じである。
「これ、やばくね?」(ば、に強調があり、ね、で尻上がり)
尻上がりのイントネーションで検索をすると「北関東風」と書いている人が多数いらっしゃる。いや、待ってくれ。わたしも北関東の生まれだが、最初に聞いたときは違和感があった。違和感があったが聞いているうちに使うようになった…そうか、あんなに早く慣れたのは、北関東風ということなのか…?
言われてみれば、わたしの住んでいたあたりよりもさらに北部に向かうと、このイントネーション、たしかにアリかもしれない。
大昔の日本映画で、永島敏行が主演した「遠雷」という、栃木県北部のトマト農家を描いた作品がある。あのときの「強調しすぎだろ、このイントネーション!?」という軽い不快感(現地の方は当時どうご覧になったかわからないが、栃木の県北で若い世代があんな言葉を使うのかと、わたしは衝撃を受けた ^^;)、そして近年はすっかり栄えてきた印象の「佐野市」(さのまるというゆるキャラがいてアウトレットがあるらしい場所)出身の友達が、高校時代にしゃべっていた言葉の語尾。うん、たしかに、そういったものを思い出してみると、あの語尾と、最近の尻上がりイントネーションは、通じるところがあるのかもしれない。
中高生の言葉はきっとまったくわからないが、おそらくわたしの言葉も、わたしより年上の人たちにはあまり通じないのかもしれない。だが最低限のルール「幅広い年代がそろった場では標準語を、丁寧に使う」があれば、それほど大きな問題では、ないのかもしれない。少なくともコミュニケーションがとれないほどの大問題ではないのだろう。