レンタルDVDで「悪夢探偵2」を見る。ストーリーをろくに覚えていない1より、はるかにおもしろかった。何でもなさそうなシーンで「何か出る?」と、ぞくっとさせてくれるカメラワークも秀逸。
人の夢にはいって、悪夢の原因となっている相手を見ることができる青年、影沼(松田龍平)が主人公。前回はわがままな刑事が協力しろとねばった結果に巻きこまれたと記憶しているが、今回は悪夢になやまされる当事者の女子高生に、家まで押しかけてこられる。タイトルは悪夢探偵だが、自分で好きこのんで探偵をしているわけではない。
原作と監督は塚本晋也のようだ。俳優さんとしては89年の「鉄男」や、2003年の「六月の蛇」で記憶しているが、とても個性的な人。覚えている作品はどれも画面が暗い。
この映画の何がいいって、主人公の母親役である市川実和子の目。若手の役者さんであの表情を出せる人は、そういないのではと思う。2000年のアナザヘヴンでは若さと不思議なキャラクタが色濃く出ていたが、今回の作品では、目を見ひらいておびえてばかりだった回想シーンと、終盤で台所に立ち母としての背中を見せるシーンの対比がすばらしい。