NHKを自分からは見なくなって、どれだけの年数が経つだろう。大河ドラマも朝ドラもまったく見ないし、家族がニュースをNHKにすることがあるものの、わたしは大きな地震があったときにチャンネルを合わせるくらいだ。だから、NHKで「いかにもすごそうだとみんなが騒いでいる」番組があると聞いても、見ることはないだろう。
明日の晩、アマゾン川流域の未開の部族を丁寧に調査した番組が放映されるらしい。そうした人々(文明から隔絶して長い年月を過ごしてきた部族)は、総称としてイゾラドと呼ばれているらしい。発見され、話題になって、国に保護されたイゾラドもこれまでたくさんあるだろうが、今回のイゾラドは、ほんとうに文明と隔絶した暮らしを送ってきていると、NHKが太鼓判を押している…らしい(!?)…。少なくともネット上の前評判はそうだ。
どうも、わたしはタサダイ族のことを思い出してしまう。20世紀の大規模詐欺事件として知られるものだ。「原始人の村を発見」で大ブームになったものの、実は…という話だった。70年代にフィリピンの奥深くに未開の部族が発見され、その人たちを好奇の目から守るためにあたり一帯を保護区に指定してほしいと当時の権力者のひとりが提案し、大統領が許可し、大きな予算が下りたのだが、実はその金は大半が持ち逃げされたのではと言われている。未開の部族を演じていた地元の人たちも、のちにジーンズ姿などで目撃されていた。
今回は大丈夫なのだろうか…。この時代に、未開部族もそうそうないように思うのだが。
それがあるなら、むしろ、日本の山奥のどこかにニホンオオカミがいたり、ニホンカワウソがいてくれたほうが、夢がある気がする。