AmazonのKindle(アプリで動かすタイプ)は、MacでもiOSでもお世話になっている。けっこう文字の拡大も簡単だし、読みかけた場所を記憶してくれるし、使い勝手はよいほうかと思う。アップルのiBooksもアプリとしてはたまに使うが、そちらは大昔の古典作品などで無料のものが手に入った場合が多い。
さて、最近ちょっとAmazonで迷うことがある。紙の本が1200円でKindleで買うと600円などと書かれたものが、けっこうあるのだ。とくに海外書籍ではその割引率たるや、半端ではないように感じられる。これまで、個人が書いたレシピなどで活字の出版にはちょっとこぎ着けなかったのであろうと思う薄いレシピ本(外国語)を無料またはタダ同然価格でダウンロードしたこともあったが、いざカネを出して本格的に電子書籍を買うかどうかでは、迷う点も多い。ほんの少しの差(活字のほうが高い)ならば、活字を選ぶこともあるが、半額以下だったりするともう、とりあえずkindle版にしようかと、気持ちが揺れる。
迷う理由のひとつは、Amazonは大手だからなかなかそういうことはないかもしれないが、読む権利として買っておいていったん端末から消したものを、サービス提供側の都合(たとえば業務終了)などによって再ダウンロードが認められず「買った本を読めなくされるリスク」が、ゼロではないことがあげられる。最初のダウンロード時にとことん安くしてあるものなのだから1回読む分だけと割り切ればいい…という考え方も成り立つかもしれないが、それは人によりけりだろう。1回読んで終わりと思う人と、そうは思わない人。どちらも存在する。そして活字の本ならば、物理的に損傷を受けるか盗難にでも遭わないかぎり、読めなくなることはない。
もうひとつは、やはり「紙で読みたい」という気持ち。めくりたい、積んでおきたい、手触りを楽しみたいという思い。
しかし本をやたらと買いこむほかに雑誌まで衝動買いするわたしに、いま以上のスペースを使いつづけることが健全であるようには、それもまた思えない。まして雑誌でさえ捨て時を見失うことがあるほどの人間だ。
やはりここは「原則として電子書籍、気に入ったものだけのちほど紙でも買い直す」というのが、住環境をすっきりさせるという意味では、いいことなのだろうか。