聞いた話だが、アメリカのテレビCMでは、商品の感想を伝える人の映像が流れるとき画面の隅に小さくpaid actor(一般人ではなく報酬を得て出演している意)などの、何らかの言葉を表示させているという。
日本では、そこそこ社会的地位もありそうな役者さんが「わたしは●●です(●●を使っています)」とか言いきっているCMも多いが、見る側はそれを100%信じてはいない。お金をもらって演技しているのだろうと考える人のほうが、おそらく多いだろう。
だが、実際の使用はどうであれ、そのCMに出るからには応援する立場にあるのだろうと考えるのが自然であり、ファンを中心としてその企業への好感度が上昇することは多分に考えられる。
さて、この微妙で曖昧な関係(企業と出演者との)は、いったんその企業や商品に問題が生じたとき、どうなるのだろうか。出演していた人々は、社会的、金銭的に責めを負うことにはならずに、安全でいられるのか? そのときになって初めて「知らずに出演していた」と正直に告白するのだろうか。さんざん応援の言葉を口にしておいてからでは、それもまたみっともない話だ。
さて、スラッシュドットジャパンの記事によれば
報酬有りのブログでの製品レビューは情報開示を-米連邦取引委員会-
ネット上のアフィリエイト活動においても、アメリカの規制は日本より早そうだ。
わたしは書いたことがないが「おすすめ記事を書けば1件で何十円」というアフィリエイトが存在することは事実であり、ある日いっせいに似たような宣伝記事がネット上に出まわるのは、その何割もがこうした理由によるものと推測される。自分で買ってもいない、使ってもいない商品のことを似た文章でしゃあしゃあと書ける神経もすごいが、それで宣伝効果があると信じてお金を出す企業も、早く現実に目を向けてほしい。
コピペしたような記事ばかりのアフィリエイトブログは、個性のなさでピンとくるものだが、再訪しようとは思わない。そういったブログに宣伝記事を書かせても、効果は期待できないはずだ。