今日、何気なく見ていた報道ステーションの足利事件特集で、元最高裁判事(本件の当時の裁判長)に長野智子がマイクを向けていたのだが、いや〜、びっくりした。
警察・検察が調べて出した証拠に基づいて裁判所が判断をする(だから裁判所は悪くない)というところまでは、まだ多少は筋が通っているわけだが、だんだんと、奇妙な言葉がつづく。
法廷でも、取り調べ担当官が見ているのではと、恐怖で嘘の自白を貫いてしまった菅谷さんのことを「公判でいい加減なことを言われちゃ困る」とか、この足利事件もほかの事件と同様に普通の事件のひとつとして考えている(特別な感情はない)とか…。最高にヘンだったのは、弁護側が最高裁に新たなDNA鑑定結果を提出して再審要求をしてきたことに対し、「DNA鑑定のやり直しを求めるのではなく、鑑定してその結果を出せばよかったのに」と、とんちんかん発言。
弁護側が10年も前から訴えていたことを放置、無視しつづけたあげくに、記憶違いまたは事実誤認したまま、現在まで生きてきた元裁判長。この程度の人が、司法のトップにいるのが現状なのだろう。個々人の気持ちをくむことも、一般的な社会通念も持ち合わせることもない。そんな人たちが一般市民の運命をにぎっていると思うと、やりきれない。
裁判官というものは、数年くらい一般企業などでの社会経験がなければなれないようにすることが大切ではないだろうか。理屈と法律だけで世の中が割り切れると思われてはたまらない。