アンジェリーナ・ジョリーが主演する2008年のアメリカ映画。1980年にカナダのホラー映画で同名のものがあったが(見たような気がするが内容は忘れた)、どちらも原題の意味は同じで、アイルランドなどに伝わる「取り替え子」のこと。
最愛の息子を誘拐された女性の、1928年からの数年間を描く作品。あらすじの前半はすでに上映前からCMなどで使われていたので、問題ない範囲で書いてみると…
当時のロサンゼルス市警はマフィアとの癒着などスキャンダルに事欠かない存在で、市民をないがしろにした行為や暴力がまかり通っていた。そんな時代、シングルマザーとして働く女性の親ひとり子ひとりの家庭から、息子が消える。市警はろくな捜査をせず、事実上放置。人権派の神父ら活動家が警察を責める。
5ヶ月後、警察は信じがたい行動に出た。遠く離れた州で親とはぐれた少年を、息子のウォルターとして送りとどけたのだ。当然のこと抗議する母親。少年が自分の息子ではないという証言を集めて行動を起こそうとした矢先、警察の手により、強制的に精神病棟に放りこまれてしまう…。
なぜ少年は息子であると嘘をつくのか。実の息子はどうなったのか。そして、母親の運命は?
…信じられない話だが、かなりの部分が実話だそうだ。げっそりする。
アンジェリーナ・ジョリーの演技力、当時の風景を再現した最近の映像技術、そして脚本と構成。すばらしい。そして同時に、内容が恐ろしい。
監督・製作は、クリント・イーストウッド。