昨日、近所のホームセンターで、安いアイロンを買った。機能はまったく要らないので、一番安いのでいいと視線を泳がせると、アイリスオーヤマのものが見つかった。
それを何に使うかというと、名札シールの貼りつけである。これまで義母が施設で使うものには、布に汚い字で油性ペン書きして、それを適当に衣類に縫い付けていた。だがこのたび縁あって、まとまった期間を別の施設でお世話になることになり、新しくいろいろなものに名前が必要となった。そこでその施設からもらった資料にあった、アイロンで付けられる名前シールを、通販でまとめて購入したのだ。
印字してくれるので手書きする必要もない。週末にネットでお願いしておいたら、印刷された状態の名前シールが郵便で火曜日に届いた。支払はクレジットカードで楽ちん。
アイロンがけをしたことがほとんどない。いちおう家の中のどこかを探せば、とてつもなく古い(間違いなく昭和時代に製造された)アイロンがあるが、それは怖くて使えない。1〜2年前に買った、薄い布地にスチームを当てる商品もまた、アイロンではないのでこういう用途に使えない——そこでアイロンを買ってきたというわけだ。
考えてみれば、義父が亡くなり義母が東京にやってきた2011年は、街のどこで仏花が買えるのかも、そして値段の相場も知らなかった。花屋がなくてもスーパーで買える場合があることも気づいていなかった(花の鮮度は花屋より落ちるが)。
高齢者用のレトルトおじや商品などが出ていることも、必要に迫られるまでは知らなかった。スーパーにはあまりないので介護用品のある大きな量販店や、薬局の通販サイトでまとめ買いすることを覚えた。
介護保険も、特養と老健の違いも、まったく知らないまま手探りで約8年。ひと区切りがつくいまになって、少しは賢くなれたかなと、ぼんやり考えている。
この8年を、少しでも意味があったものであると考えるためにも、きちんと前を向いて今後のことを考えていきたい。疲れきってぼーっとするうちに日々が流れていくことだけは、避けたいと思う。