上映時間が3時間強だというので、体力的につらいと持っていたアベンジャーズ/エンドゲームだが、今日は重い腰を上げて新宿のTOHOシネマズまで出かけてきた。
正直なところ、動画配信まで待ってもよいと思っていた。だが昨今のSNS事情を考えてみたり、関連作のテレビCMなどがはじまったことで「これはもう、世の中がネタバレに向かって歩いている。動画配信になるまでに、あちこちでネタバレがあたりまえのようにはじまってからでは、見る価値が薄れてしまうかもしれない——そう思い、出かけてきた。
おもしろいといえばおもしろいのかもしれないが、1か月半も上映しているほどに高レベルではない気がする。出演人数とメンツが豪華とは思うが、ネタバレを事前に耳に入れてしまう不安がなかったなら、わざわざ見にいくほどでもなかったかもしれない。
映像としては普通。10年前ならば珍しかったかもしれないがこのところ映像の技術が上がり、たいていのことは可能になってしまった。そして話の流れとしても、おおむね妥当。見ながらだいたいの筋が予想可能なので、ドッキリはらはらということはない。
最後のほうの、決戦のシーンでは、う〜む、これはあまりに「出しすぎ」かと。描き方の程度ではなくキャラクタの数という意味だ。そしてその場面に象徴される「こちら側(味方)と、あちら側(敵)」の分け方がきっぱりしていて、なにやら生々しいほどにアメリカらしい。もう少しおさえた描き方はなかったのだろうか。
この思いは、たとえば、昼はウニ丼にするか、いくら丼がいいかと真剣に悩んでいたときに、店主がおまけして海鮮オールスターズを3段重ねで出してきた状況に近い。さあこまったぞ、まずくはないのだが、何もここまでしてくれなくても、と思うのだ。
けなしてばかりいるが、面白いシーン(くすっと笑える系)もあったし、真田広之がいきなり出てきて数分で退場するし、見た人同士で語り合える内容はそこそこある。最後にあの人物がベンチに登場したとき、いい締めくくりだと感じた。
だが全体を通せば、これまでのアベンジャーズ系列作品を「きれいにまとめてみた、どうだっ」と、どや顔で出されたような気がしてしまう。職人芸を誇示された気持ちしかなかった。