いつものことだが、国政選挙や都知事選挙など大きなイベントがあると、その投開票日の晩は気分が悪くなることが多い。今日などは夜に出かけようかという話が以前からあったのだが、いつものことを考えて「近所だけ歩いたら帰ってくる、家で選挙の結果を見る」と、延期を提案した。そして近所で投票の後にケーキ屋とスーパーに寄って帰ってきた。
気分が落ち着かなかった理由のひとつは、投票率である。昼のうちから前回の参院選より投票率が低いとネット等で話題になっていた。なぜこの国の人びとは投票をしないのかと、むかっ腹が立ちそうになり、どうにかこらえた。
自分も20代前半くらいには、棄権したことがあった。だがだんだんと面白くなってきて、投票に出かけるようになったのだ。だから若い人が最初の数年間くらい出かけられずにいるのならば、なんとなくわかる。
なんとか「おもしろい」と、興味を持つきっかけを、周囲が用意しておかないと、投票に行こうという気持ちには、なかなかなれないのかもしれない。
また、高齢者の場合には、事情はさまざまかとも、同時に思う。
ある高齢者(身内)に「投票に行けば」と言ったときのことだ。どうも「しばらく行っていなくて(行くことそのものが)不安だし、おっくうだ」という。政治がわからないとか、そういうレベルではなく、どの党が嫌いなどの話には乗ってくる。だが外出して何らかの重要な用件をおこなうことそのものが、どうしてもおっくうだという。
そのときの返事の雰囲気が、運転免許を持たないわたしがなぜかガソリンスタンドでどう店員に給油を頼めばいいのかわからずに怯えるときと同じような(←不思議なことに車も持たないわたしが、ガソリンスタンドの前を通っただけでこれを考えてしまう)、他人にはよく理解できないが本人にはどうしても越えられない壁であるかのような、ぴしゃりとした反応だった。とりつく島もなかった。
足腰が弱くなる世代という事情も含めて、外出そのものがおっくうになってしまった高齢者にも、気軽に投票してもらうシステム作りが急務であるかと思う。
さて、今回わたしが比例で応援していたのは「れいわ」だが、開票速報がはじまった段階で2名の当確が出て、ほっとしている。ネットで開票の数字を見ながら、予想よりも明るい夜を過ごせた。