すでに解決したので安心してここに書ける。ほっとした。
事の発端は、ブラウザのFirefoxにあったパスワードファイルで不要なものを削除しようと思ったことだった。わたしはだいたいMacでブラウザ3種類を使い、補助としてさらに数種類入れている。だがパスワードを覚えさせるほど使っているのは、Firefox / Chrome / Safariの3種類だ。
ずっと以前の機種からパスワードファイルなどを引き継いで使っているため、中には消し忘れているものもある。今日はFirefoxで「このパスワードを最後に使ったのは2015年です」というのも散見。実はこのパソコンにデータを移動したのが2015年なので、それ以前からあったパスワードで、すでにログインに使用していないもの、という意味である。
だが…さあ削除してしまおうとカーソルを当て、何気なく手を止めてしみじみ見たそのドメインに、心当たりがなかった。 httrs.co.jp である。2015年より前に使用をやめたのはたしかだ。検索しても何も出てこない。co.jpだから海外サイトではない。しかもその登録メールアドレスは、捨てメルアドではなく当時わたしが通販やまじめな用件に使っていたものだ。
検索しても、何も出ない。普通はその企業が文章としてネットに書いたり利用者が紹介しているURLが検索されるので、すぐわかるはずだ。その会社は痕跡も残さず消滅したというのか。いったいそんな忍者のようなことがなぜできるのか。
ドメイン情報を見ても、以前に所有していた会社があるというだけで詳細はわからず、どうしようかと考えていた。なにやら気分が悪い。だがネット友達のみなさんに話したり、このブログに書いてしまうと「えっ、覚えてもいない、そんな怪しい会社から通販してたの?」と、笑われてしまう。それだけは嫌だった。さあ困った。
しばらく考えた。
そしてふと、考えるのをやめて部屋から出た途端に、ひらめいた。
「この、いかにも日本人が社名のアルファベットから子音だけ拾って最後に co.jp を付けてみました的な発想は、ひと昔前ならどこでもやっていた気がする」
そして頭の中で、httrsに片っ端から母音を当てはめていった。
正解は——日田天領水の会社だった。
そのあと hitatenryousui.co.jp を取得したので、古いURLはすべて転送するように設定していたのだろう。だから検索エンジンに、古いURLの痕跡がなかったのだ。
わかってしまえばなんということはないが、15分ほど、真剣に考えてしまった。自分が妙な会社に会員登録したのでないことがわかって、ほっとした。