パン屋の前で人を待っていた。レジは空いているからすぐ出てくるだろうと思ったが、なぜか遅い。ちらちらと何度か中を見ていたところ、どうやら店員さんがまごついていたようだ。
あとから聞いた話では、どうやら食パンのスライス枚数を間違えてしまったらしい。間違えましたと客に言うのもどうかと、先輩の店員に相談していたとのこと。ふたりとも若そうな店員さんだった。けっきょく相談された店員のほうが、別のパンを売り場までとりに出かけ、スライスし直したそうだ。
それがもし中高年の店員(とくにおばちゃん系)ならば、客がいいと言うかもしれないからと、わざと大きめの声で「あ〜、枚数が違っちゃってたんだぁ」と言いながら客の顔を見るところだろうが、それもなく、小声で相談しながらやり直していたとのこと。
たしかに、5枚切りは食べつけないので、6枚にしてもらえたほうがありがたかったのだが、先に間違えたほうのパンは、どうなったのだろう。
もしこれがテレビ番組ならば「従業員がおいしくいただきました」と出るかもしれないが…。賄いでサンドイッチでも作ったのだろうと、思うことにしておこう。