表題のように言ったとされる(実際には言っていない)マリー・アントワネットも真っ青な、すごい動画ツイートがまわってきた。あまりに驚いて一度だけ再生してしまったが、普段からツイートでは音声を出さないように設定しているので、音を聞かずに済んだ。
どうすごいのかというと、一国の首相が国民に、できるだけ家にいましょう、出かけられなくても家で楽しくゆったりすごしましょうという「自分がまったりと過ごしている」内容である。室内で犬を抱いたり飲み物を飲んでいるようだっった。開いた口が塞がらない。
動画に驚いた人々が何度もリツイートしていたが、二度目以降は自動でうっかり再生されないように、注意深くスクロールしてやりすごした。
怒りというのか、ここまでおかしいことを堂々とできる神経に、恐怖すら感じてしまう。
感染が広がるのは困るが仕事を休めない人々。休めと言われている業種であり収入がなくなるというのに、補償はされないと聞かされている人々。目には見えない危険が近づきつつある恐怖にさいなまれている人々——そうした一般市民がかかえる強い不安には、「○○ができなくてつまらないでしょうけれど、家でゆったりすごしてください、ちょっとの我慢」などという夢ものがたりは、みじんも必要ではない。何が「つまらないかどうか」というレベル話では、そもそもないのだ。
日本に暮らす人々には、感染の恐怖とともに生活への強い不安がある。そんなとき市民より生活水準の高い政治家が自宅でまったり過ごしている姿など、神経を逆なでするだけだということが、なぜわからないのか。せめて、たいへんだろうけれど家にいてくれ、その期間の生活費や損失はなんとかするという言葉があれば(さらに実践がともなうという予感があれば)、人はどれほどにか安心できる。
いまのままでは、政府は一般市民を見ていないと宣伝しているようなものだ。
466億円のマスクといい、この動画ツイートといい、いったい誰が考えているのだろう。
あの首相に知恵を付けている人物はいったい誰なのか。
書きながら、やはり気味が悪くて、軽く震えが出そうになる。