スーパーの近くにて

 今日は散歩だけでもと、買う物はなかったがスーパーなどのある道をぼんやりと歩いていた。桜もまだ咲いている場所があり、周囲にも立ち止まって撮影する人がちらほら。のどかな夕暮れ…と思っていたら、向かい側から高齢の女性が、かなりのんびりと、うつむきながら歩いてくる。

 近づいてみると、手押し車に上半身をしっかりからませるように、休み休み、移動してくるようだった。ご高齢であるだけなのか、あるいは具合が悪いのかと、見るとはなしに見ていたのだが、やがてすれ違うころになると、違和感が。

 手押し車と思ったのはスーパーのカートで、上には近所のスーパーのレジカゴ、そしてそのカゴの中にはご自分のエコバッグ。

 高齢者は、体を安定させるために手押し車を使うことがあるが、わたしが見かけたこの人の場合は、おそらく「週に何回か来るわけだし、ちょうどよいし、借りよう」という考えで、往復に使っているのかもしれない。もしやきちんとスーパーに許可を取っている可能性もなきにしもあらずだが、カートやカゴを持ち帰る客に店が困っているという話も聞こえてくる昨今の状況を思えば、店が快諾するかどうかは謎であり、実際のところはわからない。

 地域の担当者や自治体が、方針として、高齢者が買い物などに安心して出かけられるように、(スーパーのカートではなく)正規の商品を紹介できればいいのだろうが、なかなかひとりひとりには、手が回らないのだろう。

 みんながいっぱいいっぱいで、余裕のない行動をとらざるを得ないのが現状だが——わたしが見かけた場所よりもさらに手前からあの状態であったなら、店名のはいった買い物カゴと、その店のものと思われるカートにもたれかかりつつ移動してきたのであろうその女性には、いっそうの保護が必要と感じた。
 何ができる立場でもないが、そう考えたことだけは、ひとまず書いておこう。
 

投稿者: mikimaru

2021年現在「バウムの書」、「お菓子屋さん応援サイトmikimarche」などのサイト運営に、力を入れています。 かつててのひら怪談というシリーズに参加していたアマチュア物書き、いちおう製菓衛生師の資格を持っています。 バウムクーヘン関連や、昔からの知人には、「ちぇり」もしくは 「ちぇり/mikimaru」を名乗っています。

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