昨日のことだったと思うが、一本道の先に、色とりどりの箱が置かれていた。最近どうも視力が落ちているのか(視力測定アプリによれば0.7前後)、わたしは「あんなところに、なんの箱だろう」と連れに尋ねたところ……
途端に、その4種類の箱が動いた。それも、浮くように動いた。
ぎょぎょぎょっ…と二度見すると、どうやら、小学生の女の子4人が、ランドセルをしょったまま、膝を抱えるように丸くなって、地面の何かを見ていたらしい。
それが急に立ち上がって動き出したので「箱が浮いたっ?」となったわけである。
わかっみれば、笑い話だ。
そして、同時に、微笑ましかった。
4人とも、色が違うランドセルだった。黒に近い渋い色合いもあれば、パステル調のピンクや水色。のうひとりは何色だっただろう。みんなそれぞれ色が違っていた。
いい時代になったものだと思う。
わたしが子供のころは、学用品や身につけるものが、性別でざっくり決められてしまうことが多かった。周囲の大人たちが、あまり人と違う色だとよくないと思った故のことだろうが、買ってきてくれるものの色合いは、性別で決まっている場合が多かった。
わたしのころは、選べなかった。
だから、これから先を生きる世代には、自由に選べる日々を、満喫してもらいたい。