U-NEXTで、定額ではなくポイントを使用すると見られる映画。2019年の作品で、舞台はアメリカということになっているが主演の夫婦はヨーロッパ出身の設定で、アメリカらしい描写もとくにない。原題は The Room で、主演はオルガ・キュリレンコ。
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画家の夫、ロシア語翻訳をする妻が、ニューヨークを離れて郊外の古びた屋敷に引っ越してくるところから、物語がはじまる。
壁紙を剥がすと現れた奇妙な部屋。やがてその内部で夫がつぶやいたこと「(酒が)もう1本ほしいな」が現実のものとなり、部屋の中でならば願った物質があれこれ出ると気づいた夫婦は、ひとしきり羽目を外して遊びまくる。
だが、ベビーベッドを出した夫が「もう一度だけ、がんばってみないか」と、流産をくり返した妻に語りかけたことで、妻は悲しみを思い出す。妊娠して、期待して、流産するのは自分だ、あなたではない——悲しい思いはもうたくさんだ、と。
ぎくしゃくしたふたりだったが、やがて妻は、夫が外出しているあいだにその部屋で子供を願ってしまう。
——だが、まだふたりは知らなかった。部屋に願いを伝えて出してもらったものは、すべて、その家の屋内でしか状態を保てないことを。
映画の最後の方は少しルールがインフレになっていて「こんなことできるんだったか?」という雑な展開もあるのだが、おおむね楽しめた。