平均すれば週に2回か3回はパンを焼く。プレーンな食パンぽいもの、それに具を入れたもの(レーズンなど)、バゲットっぽいもの、クロワッサンぽいものを交替で焼くことが多い。
この何年も、焼いたら写真を撮るようにしているが、はたしてうまくなっているのかどうかがわからない。気づけば8年前に最近のよく焼けたときと同じような写真を撮影していたり、最近ではあまり焼いていないパンを焼いていたことがわかったり。「やはり最近は、うまくなっている」という実感があまりない。
ただ食感に関しては、今年にはいってから少し水分を多めにしているので、やわらかく「もちっ」としたものが焼けることが増えている。これはこれで、おいしいと思う。
田舎の母は、わたしが幼少のころすでに手打ちうどんを作っていた。動作が不思議で「なんでそんな風にカクカクと(機械的に)手が動くの」と何度も聞いたが、やっているうちに自然とそうなると言われたのみ。「どこで習ったの」とか「いつからできるの」と尋ねても「最初はおいしくなかったんじゃないかな」、「作っていくうちにおいしくなってきたんだと思う」という返事。
わたしが幼少時から中学くらいまでの母の年齢を思えば、いまのわたしより若かったはず。それでもわたしには「おいしかった」し、「最初はおいしくなかったってどんなだったんだろう」と思ったが、わたしはこの年になっても、いまだにうまくなったという実感がない。
今日も「今回は渾身の出来だ」と思ったクロワッサンが、普通だった。味や食感はいいのだが、焼いたあとで「見た感じが普通だな、すごくないな」ということで、気分が下降する。それでもたぶん、わたしはこれからも焼くのだろう。
誰かよその人に食べさせるわけでもないし、家族はうまいと言ってくれるのだが、わたしが相手もない「ひとりインスタ映え」を狙いつづけているというのが現状だ。