マチマチは、以前に登録したことがあった。東京にかぎらず各地の自治体からも参加があり、担当者が地域の人向けに情報発信をしていた例もある。大手SNSは気が乗らなくてもご近所情報だけは知りたいという人がいた場合に、ある程度のニーズにこたえていた存在ではないかと、想像している。
わたしは大手SNSに慣れているため、中が見たくて登録したものの、実はまったく活用していなかった。ただ、ニーズはあったのだろうがアクティブなメンバーがいるようにも思えず、賑わっていたとは言いがたい。わたしのようにたまにログインする程度でも、地域の質問や相談の話題はほとんど増えていなくて、楽に読むことができた。
自治体が参加することでのお堅いイメージと、それゆえに、利用者が楽しむというよりは情報を受けとる立場の人が多かったというのが、賑わいが足りなかった要因のひとつなのかもしれない。
終了を残念に思う利用者もいるはずだが、気になるのは、一部地域ではなく広域にわたるサービスを提供していたのに、あまりにあっさりとした終了の告知だ。
SNSという存在そのものが、岐路に立っているのだろう。
仲間だけのコミュニケーションツールとして使う人は以前から多いが、仲間のみとやりとりしたい人、不特定多数に情報発信をしたい人、情報をただ読む側でいたい人がそれぞれアクティブに利用してくれる包括型のSNSは、さほど多くない。一時期はFacebookがそうだったかもしれないし、10年くらい前までのmixiがそうであったかと思うが、あれもこれもやろうと考えると運営側が疲弊し、会員側もまた多機能を望んでいるわけではないため、残念ながら気持ちが離れることにもつながりかねない。
だが個々のSNSや連絡手段がサービスを終了していくと、とりあえず大手にいったん人が集まり、そこがやはり肥大化、多機能化していく。
SNSそのものは存在をつづけるだろうが、同じ会社の同じサービスがつづくとは限らない。