小学生の不思議

 いや、小学生にはそれなりの理由があるのだと思うが、かなり謎なことがあった。

 数年前、近所の通学路に、大規模工事の入り口のひとつができて、そこに騒音を検知して数値で示す装置のようなもの(名前を知らない)ができたのだが、その工事がおこなわれていた数ヶ月のあいだ、小学生たちは朝も晩もそこを通るたびに集団で「きゃーっ」、「ぎゃーっ」と叫んでいた。数字が変わるのがおもしろかったのだろうとは思うが、けっこう離れているわが家でも聞こえて、事件かと思ったことがある。

 それから数年。

 それに関しては平穏な日々がつづいていたが、わが家のすぐ近くで新築工事がおこなわれている(現在は家の基礎しかない)ところで、小学生が騒いでいた。

 その騒ぎっぷりといったら、以前の「ぎゃーっ」、「きゃーっ」に加えて、「○○先生がこんなことしたーっ」とか、誰かの噂話のようなものまで含まれていて、例の装置ができたのかと思ってしまった。見に行くのもはばかられるほどの迫力だったので、しばらくして小学生が去ったのちに現場を見に行くと…

 …普通の建設現場で、そんな装置はどこにもない…

 小学生は、いったい、これから家ができる場所(ほぼ空き地に近い)に、なんの用があったのだろうか。

投稿者: mikimaru

2021年現在「バウムの書」、「お菓子屋さん応援サイトmikimarche」などのサイト運営に、力を入れています。 かつててのひら怪談というシリーズに参加していたアマチュア物書き、いちおう製菓衛生師の資格を持っています。 バウムクーヘン関連や、昔からの知人には、「ちぇり」もしくは 「ちぇり/mikimaru」を名乗っています。