だいぶ前にNetflixで見たのだが、2018年のアメリカ映画で、How It Ends(邦題は「すべての終わり」)というものがあった。災害パニックなのか、なにかが起こっているのだがそれが何なのかが、最後までよくわからないまま。とにかく、心がすさんだり病んだりしている人たちをかき分けて、主人公の男性が婚約者の女性を長旅の果てに探しあてて、最後にやっと一緒になる…話なのだが。
日本語のWikipediaには細部まで書いてしまっているので、ねんのため英語のIMDBをリンクしておく → How It Ends (2018)
これがだね、話はわからないし、ほんとうに「すべてが終わる」のか、あるいはもしや「はじまってもいないんじゃないか」とか、考えさせられるのだ。まさかの夢オチとか、主人公たちもう死んでいるのかとか、あれこれと。だがそんなことを考えるだけ損で、話はブツッと終わる。
同じパニック系でも、何が起こったかはだいたいわかるのが、2020年のグリーンランド -地球最後の2日間- (こちらは最後まであらすじが書かれていないのでリンクしておくが、これから書かれたら申し訳ない)
地球に彗星(の破片)が降りそそぐ。運と体力を使いまくり、暴力や策略をかいくぐって、巨大シェルターがあるというグリーンランドに移動する夫婦とその子供の話。これも汚い人たちがけっこう出てくる。
別の意味で「こりゃ、すがすがしいぞ」と感じたのが、Netflixで2021年に公開された「AWAKE/アウェイク」。これはリンクを張るとネタバレがけっこう引っかかるので、ご自身で注意しながら検索されたし。
どうすがすがしいかと言うと——世の中の誰も眠れなくなってしまったという世界を描くのだが、見る側の多くが「どうしたらみんな眠れるようになるか」という方向に話が行くのだろうと予測するものの、そうではないのだ。自分の子供が寝られる体質だとバレてしまった母親が、研究所に連れ去られてしまった子供を取りもどすために奮闘する話。その途中経過として、優秀な人たちにもわからなかった「こうすれば寝られるのでは」がわかるのだが、主人公親子らは、別に世の中をよくしようとか誰かを助けようというわけではなく、怖い場所から逃げたいだけという、単純明快な流れである。
ちなみにわたしは、いきなり世界が壊されて人が逃げまくる映画として、けっこう「スカイライン -征服-」が好きであると、書いておく。