今日は短時間に2回も、すぐ近くで不穏なことを言う人に遭遇した。どちらも成人男性だ。
最初のひとりは、立ち止まってメールを見ていたときだ。わたしに言ったのかどうかはわからないし、暴言をひとり言のように吐きながら歩く状態であったのなら、吐いている途中にわたしの真横を通過したのかもしれない。とにかく、聞きとれなかったが「○○なんだ、このやろう」と言いながら去っていった。唖然とした。
ふたりめは、怖かった。その怖さにはふたつの理由がある。
スーパーのレジでわたしの手前の女性が持っていた商品が、レジを通せないものだった。なぜなのかは不明だが、その女性が手にしていた商品にバーコードがなく、店の人が「どの棚から取ったのか、同じ棚にバーコードの付いている商品があったら取り替えたいので教えてくれ」と確認をしていて、レジがまったく止まってしまったのだ。
そのとき、わたしの耳元で乱暴な声が聞こえた。すぐうしろに立っている男性だ。
一瞬ではあっても、心底、怖かった。この三年間は「距離を開けて立て」とどの店にも書いてあり、多くの場合は人がそれを守っていた。そしてわたしは時間がかかって止まっているレジに近づかず、その手前に立っていたが、その男性は「わたしの耳元で」(つまりまうしろに)立っていたことになる。そのことがまず、この三年ではないことだったので不快であり怖かった。そしてもうひとつは「この人は、わたしにだけ聞こえる距離でわたしの耳元で暴言を吐いた、誰に聞かせたいんだ」ということである。
わたしはレジから離れて手前に立っていたので、店の人にもその客にも、その言葉は聞こえない。ふざけんなといった暴言は、そっくり「わたしにだけ」向けられていたのだ。
なんなんだ、この人は。
心の中で何を思おうと勝手だが、人のまうしろに立って暴言を吐くとは、こちらこそ言いたい、「ふざけるな」。
自分より年上であったり体格ががっしりしていそうな人物のまうしろで、それが言えるのか。言えないはずだ。自分より弱そうな人間のうしろでしか言えないのだ。
つくづく、お近づきになりたくないタイプの人間である。