数週間ぶりの通院だった。
待合室で「あれ?」と気になったのは、咳をする人がけっこういたこと。そういえば数日前に阿佐ヶ谷の書店で、入り口に立って立ち読みしていた人がずっと派手に鼻をすすっていた。いったん店から出て鼻をかんで帰ってくるという発想はないようで、ずっと大きな音を立てていたのが印象的だった。
この3年ほど、新型コロナと疑われたくないということもあったのかもしれないが、咳や鼻水の音をできるだけ人前ではおさえていた人が多かったのだろうか。今日はひさしぶりに大きな音が周囲から聞こえてきたことで「人が、音を立てることにびくびく感じなくなったのか」と想像した。
いや、そもそも、咳や鼻水の音そのものは、発生をおさえようとしておさえられるものではない。だから音を遠慮がちに出していただけなのだろうが、それの「遠慮がち」という思いが薄れてきた、ということなのかもしれない。