なんだこれは…ベルギー映画「ノイズ・ウィズイン」

 昨日のことである。Netflixでおもしろい作品はないかと探していた。長さが1時間半だというし、フラマン語(フレミッシュ語)は知らないので、きっと字幕を見ながら聞くのが楽しいだろうと、なんとなく見てしまったのがベルギー映画「ノイズ・ウィズイン」。原題は Noise のみ。

 45分ずつ2回に分けて見たのだが、前半は「この先がどういう映画になるのか」と、たとえばホラーなのか、登場人物の心の病なのか、まったく別の展開になるのかといった具合に、楽しみに見ることができた。用事を終えて夜に後半を見ていると…

 …終わった。
 え、ここで終わりか? わたしは何か見落としていたのか、ストーリーの重要部分とか?
 …しばらく考えてみたが、わからない。

 数分考えて…何やらとてつもなく、わからない。伏線のようなものは回収されていないし、そもそも伏線の張り方も中途半端。

 おすすめしない映画であるが、わけわからない気分になりたければ、ぜひどうぞ。

=== いちおう、あらすじ ===
 主人公男性の母が、家(広い屋敷)の前にある大きな沼のようなところで死んだらしい描写で話ははじまる。その後すぐに「時は流れて〜」といった具合で、主人公が成年後に恋人と、そのあいだに生まれたばかりの乳幼児を連れてその広い家にもどってきたところから、ふたたび話が流れはじめる。
 主人公の父親は界隈の入居型施設で暮らしていて、認知症があるのでたまに歩いて家に来てしまうが、体のほうの病気はなさそうである。主人公の職業はなんと「インフルエンサー」で、ネットに何かを載せるたびにスポンサー契約がついたりして、生活用品を送ってもらえたりもする。
 結婚はしていないらしい恋人の女性は、(田舎に引っ越してしまったものの)食べ物のケータリングをしたいと考えており、つねにキッチンで仕事の案を巡らしている。

 主人公は、自宅すぐにある広大な工場跡(かつて父親が所有)について、調べることにする。何かきなくさい事件があったようだが、当時は幼かったので自分が知らないことが多すぎた。それを調べ直すことで、フォロワーの興味をかきたてると同時に、父親との心の交流を持とうとする。
 いっぽう主人公の同居女性は、地元の人たちに受けいれられないことに戸惑いを覚えていた。中には露骨に嫌うような態度を取る人もいるが、なんとか少しずつでも地元に溶けこもうとしていく。

 工場の秘密について調べているうち、主人公の奇行が、その度を増す。同居女性の弟もかなり心配して訪ねてくるほどの壊れっぷりである。
=== あらすじ終了 ===

 …で。

 これほどぽかんとさせられたのは、How It Ends と同じくらいと思ったら、やはりその件もこのブログに書いていた。

“How It Ends” ほか、パニック映画

 今回の映画が、もし、作品のどこか途中から主人公の心の世界にでも飛んでしまったのでないかぎり、平穏なシーンで終わることは考えられない。この主人公カップルに、落ちついた日々がもどるとはとても思えない。少なくとも言いたいのは「なぁ、ねーちゃん(同居女性)、弟のことを考えたら、のんきにしていられないだろ」である。

 いや〜。なんだったんだろ。

投稿者: mikimaru

2021年現在「バウムの書」、「お菓子屋さん応援サイトmikimarche」などのサイト運営に、力を入れています。 かつててのひら怪談というシリーズに参加していたアマチュア物書き、いちおう製菓衛生師の資格を持っています。 バウムクーヘン関連や、昔からの知人には、「ちぇり」もしくは 「ちぇり/mikimaru」を名乗っています。