どなたからのリツィートで回ってきたものか、一瞬のことだったので忘れてしまったが、ロシア語でも鰯はиваси(イワシ)という、という内容のものであった。
あれ、と思ったのは、多少なりともロシア語を学ぶ人間として иваси のスペルの2番目である в は、英語の v に相当するものであると考えたためである。実際問題としてこの иваси の読みを紹介している書籍やサイトには イヴァシ と書いてあるものがあるのだ。
だが、実際には в の音は v にも f にも聞こえることが多い。とくに単語の頭以外で使われたときは f に聞こえることがある。ロシア語ネイティブはどう区別しているのかわからないが、聞く側にとっては f なのだ。
たとえばロシア語の人名で Ваня (英語風に書くならVanya) という男性名は、単語の冒頭で次に母音がくるためはっきりと v として濁って聞こえるのだが、同じく単語の頭でも all や every を意味する все は、子音が重なるためか vce ではなく fce と、わたしの耳には聞こえるし、всегда (always) は、わたしの耳には「フシグダ」のように聞こえる。実際そんな感じで発音してもDuolingoは正解として通過させてくれるので、AIのレベルでは許容範囲なのだろう。
というわけで、イワシは(日本のイワシと似ている魚をロシア語で иваси ということになったようで、語源は日本語)ロシア語でもイワシというのは、意味としても発音としても(イファシのように聞こえるため)、そこそこ近い話であると言えるだろう。