上野のアトレに2021年まであった、カレーうどんに古奈屋が好きだった。20年近くもそこにあったのに閉店してしまったのはコロナ禍だからだろうと思っていたが、別の人がそれ以前に古奈屋のことを「店舗が減った」と書いていたのを見つけ、さらに検索してみた。創業者の娘である現社長のインタビュー記事があった(2022年現在)。
2022年1月現在: 飲食の戦士たち 第919回 株式会社古奈屋 代表取締役社長 戸川里美氏
創業者は、もともとは芸能界に通じており、マネージメントやプロモーションではかなり知られていた人だという。その後に紆余曲折を経てカレーうどんを家族三人で開始。最初はまったく売れなかったが、品質をおとさずに地道な営業をしていたところ、テレビ番組で取り上げられて人気が出た。
だがそののち、増えたフランチャイズ店らの現場では運営の合理化が進み、昔ながらの味と手順を守った創業者直営の本店とは品質に違いが出ているなどの事実に直面——。そこで原点に帰るべく、店舗数をしぼって営業をしているのだという。
巣鴨の本店には出かけたことがないが、上野のアトレにあった店でじゅうぶんに美味だった。本店とは同じ都内であることや、古くからあった店ということで、上野では品質が維持されていたということなのだろうか。だがわたしの舌には、スーパーで売られている古奈屋監修のカレーうどん(日清のチルド麺)もけっこう美味に感じられるので、そのあたりは追及しないことにしておこう。
もう上野にないとわかったら、古奈屋のカレーうどんが食べたくなった。