これは以前に人づてに聞いた話で、どなたかの親戚の方の話ということだったが——大福を含めて、丸くて何かつつまれているものは「とりあえず饅頭と呼ぶ」というご家族があったのだそうだ。
日本の大多数の場所では、ふたつはまったく別物なのだが、いったいどこの地方だったのか、詳しく尋ねておかなかったことが悔やまれる……と思ったら、先ほど検索でこんなものを見つけた → 2004年のOKWAVE 大福はまんじゅうじゃなくて、餅だ! 。大福のことを饅頭と呼んで夫に言い返されてしまった人の相談だ。
で、この話をブログに書こうかとさらに検索をつづけていると、家族が目の前を通った。「大福を饅頭に含める地域を知っているか」と尋ねると、1秒で義父母の暮らしていた岩手県沿岸の地名を答えた。どうもそう呼ぶようだ。
大福は日本の食べものだが、饅頭は中国発祥で、料理なども含め、小麦粉等の生地で具をつつんで「蒸す」ものをそう呼ぶ。日本では和菓子のイメージが強くなりがちな言葉だが、惣菜などのような食べ方をするものも多い。いっぽう大福は、普通は加熱しない。加熱したらあの形状は保てない。そしてほとんど間違いなく和菓子の分類であって、料理ではない。
岩手県のほかにも、東北地方のどこかでは、そういう表現をするのだろうか。別の人にも尋ねてみたい。