外国暮らしをしたわけでもないのに日ごろから外国の言葉や文化に関心を持ってあれこれ書いているわたしではあるが、ときおり数十年前くらい前に耳にしたことが思い浮かぶことがあり、いま現在の状況はどうなのだろうと、はっとさせられる。
たとえば数十年前、英語でコインランドリーと言っても通じないと何度も言われた。当時はたしかにそうだったかもしれないが、現在では少なくとも「こんな感じのものだろうな」と想像してもらえる程度には、外国での認識は広がっている。有名ドラマ「ストレンジャーシングス」ではそういう看板の店が登場、そして米国アカデミー賞を総なめにした「エブリシング エブリウェア オール アトワンス」でも、舞台はコインランドリーだったし、たしかその表示も出ていたと思う。
以前はドラマで見るたび「えっ」と思っていたのだが、この数年でもうだいぶ慣れてきてしまった。
そして先日、運転者がなく自動で走る車を日本語では「自動運転車」と呼ぶのかと聞かれて、一瞬考えた。意味としてはもちろん合っているし、現在のところ一般的に(カタカナなどではなく)使われているのはそれが正解と思うと答えたのだが、気になったのは「自動運転車」の最後の「車」である。これはもともと自動車と呼んでいたものを略して「車」にしたはずだ。いまの日本で社名を言うとき以外に日常会話で自動車と言う人はほとんどいない。クルマまたは○○車(しゃ)である。
いつか自動運転車が当たり前になったとき、これはどう略されていくのだろうか。
古い時代の言葉とこれからの言葉を気にしながら過ごしていけることは楽しい。自分の生きている時代を感じながら、これからも言葉をチェックしていきたい。