炊飯器は、東日本大震災が発生したころ、まだそれほど古くなかった。だが東京23区のほとんどが計画停電を免れて周辺の県に迷惑をかけているのに電気を大量に使うわけにはいかないと、即座に使用をやめて現在にいたる。つまり12年前からフライパンや南部鉄器のご飯釜を使い、直火で炊いている(フライパンは味付きの具を使う場合で、白米は南部鉄器)。
室内のそのあたりに、ずっと放置している。12年使っていないものを使うのは危険だろうが、こちらの方針で使わなくなっただけで壊れたわけでもないのにゴミに出すのもと思っているうちに年数が経った。
ヘアドライヤーも、たぶんどこかにあるはずで、それも10年くらい使っていない。
それは東日本大震災とは関係のない理由だったと思う。もともと使うことが皆無だったのだが、以前に「いつまた入院になるかも」と考えたときに購入した。病院でも昼間の時間帯に係の人にお願いすれば貸してもらえたが、体調がよければ早朝など空いた時間帯に髪も洗える洗面台を利用できたので、そこでジャバジャバと簡単に頭をすすぎ、音が周囲の迷惑にならないタイミングでドライヤーを使いたいと考えた。だが幸いなことにそのころから入院はしておらず、ほとんど使わないまま、予備としていまも「どこかに」あるはずである。
その「どこかに」がくせ者で、おそらく洗面台の下などに放置しているのだろう。見つかっても使えるかどうかはわからないが、これまたほとんど使っていないのに捨てるのもどうなのだという気がする。ダメだった場合に炊飯中の米も処分しなくてはならない炊飯器よりは、温風が出るか出ないかの確認をするだけのためドライヤーのほうが被害が少なそうに思える。見つかったら少しだけ使ってみようか。
それから、5〜6年前にアイロンを買った。義母が施設に持っていく服に名前ラベルというものを付ける必要があったためだ。手で書いたりシールを縫い付けるのが面倒になって、専門業者に名前シールを作ってもらって、貼りつけることにした。
アイロンはそれ以前、数十年前の話だが、東京に出てくるとき親戚がくれたものが「どこかに」あるはずで、捨てた記憶がない。だが義母の件では新しく安いものを買った。だがもう義母は施設にはいっていて、1年に1〜2回のみ肌着などの補充を頼まれるだけであるため、その新しいほうのアイロンも今後は使わなくなるかもしれない。まずは、その数十年前のアイロンが見つかったら処分せねば。
ここまで書いておいて説明するまでもないが、アイロンは自分たちの衣類に使わない。形状記憶の服か普段着(アイロン不要)の素材ばかり着ているためである。