近隣のJR駅近くで買い物。地階にあるスーパーから地上にエスカレーターでのぼっていた高齢女性が、なんと後ろ向きに倒れた。
つまり、エスカレーターは上に向いているので、女性は頭を下にして投げ出されるように倒れたということだ。
あわてて下から男性が駆けより、体を支えようとしたが、その女性が(どう考えても一大事なのだが)、おろおろした声で「大丈夫です」と。いや、とっさにそう言ってしまう人を何人も知っているが、まったく大丈夫ではない。数秒遅れて近くにいた係員がエスカレーターにのぼろうとしたが、状況を冷静に判断できた別の客が係員に「エスカレーターを止められるのでは」と声をかけ、思い直した係員がのぼりかけたエスカレーターから降りてスイッチを探し、ストップさせることができた。
ほっとした。
斜めうしろから見ていたので正確な状況把握ではないかもしれないが、高齢女性は背中に大きめのリュックをしょっていた。バランスを崩したのもそれが原因かもしれないが、同時にそのリュックがクッションになって頭を直接エスカレーターにぶつけずに済んだのではないだろうかと、途中までしか見ていないがそうであってほしいと願っている。
それにしても、あれほどたいへんなときにでもつい口から出てしまう「大丈夫です」は、聞いていてつらい。その女性だけでなく何回もいろいろ見てきているが、ちょっとしたことで騒いではいけないという雰囲気の中で暮らしてきているような思いになる。助けてもらったら、もっと自然に「ありがとうございます」と言えるようになりたい。